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NC旋盤とCNC旋盤の違い~特徴や用途、何が作れる?最新機種情報などを徹底解説

 ■タイトル
NC旋盤とCNC旋盤の違い~特徴や用途、何が作れる?最新機種情報などを徹底解説
 
■目次

NC旋盤の特徴


NC旋盤とは?特徴や用途


NC旋盤でできる加工


NC旋盤の種類


CNC旋盤の特徴


CNC旋盤とは?特徴や用途


CNC旋盤でできる加工


CNC旋盤の種類


最新機種情報


まとめ


 
■本文
工作機械においては『NC旋盤』『CNC旋盤』が存在し、NC旋盤は数値制御装置、CNC旋盤はコンピュータ数値制御装置が組み込まれている旋盤のことを指しています。
 
これらが登場する前は、汎用旋盤(普通旋盤)と呼ばれる、手作業で加工を行う工作機械が活用されていましたが、現代においては作業員が手を加えることなく自動で加工できる『NC旋盤』『CNC旋盤』が活用されるようになりました。
 
現在ではコンピューターによって数値制御するCNC旋盤が主流になっていますが、NC旋盤と呼んでCNC旋盤のことを指している場合も多くなりました。
 
 

NC旋盤の特徴


『NC旋盤』とは、NC(数値制御:Numerical Control)と呼ばれる装置を組み込んだ工作機械のことを指します。
 
どのような特徴があるのか、その用途やできる加工、種類などについてご紹介していきます。
 

NC旋盤とは?特徴や用途


NC旋盤とは、NC装置が組み込まれている工作機械であり、設定した加工プログラム通りに装置に指示を送り、サーボモータを動かして加工することができます。
 
NC装置が組み込まれていない汎用旋盤(普通旋盤)と同様に、外径加工や内径加工、ねじ加工、ドリル加工などが可能ですが、汎用旋盤と決定的に違うのは自動加工できるという点にあります。
 
NC旋盤を活用するためには、まず『加工プログラム』を作成する必要がありますが、このプログラムによって作業員が付いていなくても自動で加工が可能になります。
 
そのため、人材難と言われる状況においても効率よく工場を動かすことができるとして注目されています。
 
また、精度にムラがないために、高精度な加工を安定的に量産できる特徴を持っています。
 
大量生産には向いていないと言われるものの、タレット(旋回式の刃物台)を搭載したNCタレット旋盤のように、大量生産が可能な種類も存在します。
 
そのようなことから、作業員の少ない工場においても、高精度な部品を量産できる、優れた工作機械であると言えるでしょう。
 

NC旋盤でできる加工


NC旋盤は、加工したい円柱状の材料を回転させ、そこにバイト(刃)を当てることによって材料を加工することができるもので、小さな精密部品から大型の材料まで切削加工が可能です。
 
加工はバイトの種類によってもさまざまです。
 
基本的な『片刃バイト』であれば材料の外周や端面の加工、先が尖っている『剣バイト』であれば曲面削りやテーパ削りといった複雑な加工、『突切りバイト』であれば溝入れが可能です。
 
そのほかにも『中ぐりバイト』『ねじ切りバイト』など、バイトの種類によって、さまざまな加工ができることが分かります。
 
かつては、バイトの付け替えは人の手で行う必要がありましたが、現在のNC旋盤ではタレット型、くし刃型、フラット型などと言われる、自動で付け替えができるものが登場しています。
 

NC旋盤の種類


● NCタレット旋盤
● NC立旋盤
● NC正面旋盤
● NC倣い旋盤
● NC自動旋盤
 
NC旋盤にはさまざまな種類があり、その中でも代表的なものをピックアップさせていただきました。
 
『NCタレット旋盤』とは、タレット型の旋回する刃物台を搭載したNC旋盤のことであり、一般的にNC旋盤というとNCタレット旋盤を指していることが多いです。
 
10本以上のバイトをあらかじめセットすることができ、1つの工程が終わると自動的に次のバイトに入れ替えて、また新たに加工を開始できるという優れた特徴を持っています。
 
『NC立旋盤』とは、主軸が垂直になっており、バイトを上から下に向かって移動させながら施削するNC旋盤のことを指しています。
 
加工する材料をテーブルに置いたまま、バイトを動かして加工するため、大きな材料であっても安定した加工を行うことができます。
 
『NC正面旋盤』とは、主軸が作業者の正面を向いているためにそのように呼ばれており、外形寸法の大きな材料の加工に適しているといわれます。
 
『NC倣い旋盤』とは、『倣い(ならい)加工』と呼ばれる、見本と同じ形に加工できるNC旋盤のことを指しています。
 
コピーしたい元の材料を設定しておけば、同じような工作物を加工でき、段付き面や曲面など複雑な加工も効率よくこなせます。
 
『NC自動旋盤』とは、同じ形の材料を大量生産できるNC旋盤のことを指しており、小さな材料の加工に適しています。
 
 

CNC旋盤の特徴


『CNC旋盤』とは、CNC(コンピューター数値制御:Computerized Numerical Control)と呼ばれる装置が取り付けてある旋盤で、自動加工することができます。
 
どのような特徴があるのか、その用途やできる加工、種類などについてご紹介していきます。
 

CNC旋盤とは?特徴や用途


CNC旋盤は、組み込まれているコンピューターによって数字制御が可能で、自動的に材料を加工ができる優れた工作機械です。
 
上記で説明したNC旋盤と混同してしまうのですが、NC旋盤は基盤単体ごとの動作の組み合わせによってプログラムを実行できるようになっていますが、CNC旋盤ではコンピューターによって制御しているために区別されています。
 
基本的な機能としてはNC旋盤と同様に、加工したい材料を回転させ、バイト(刃物)を押し当てることによって切削加工を行うというものです。
 
バイトはタレット型の複数取り付ける刃物台になっており、さまざまな加工が可能となっています。
 
コンピューターで制御するために主軸だけではなく工具軸も複雑な動きが可能であり、高品質な加工が自動でできるのが特徴です。
 
そのため適切なプログラムを作成しておけば、加工は工作機械が自動的に行うために、加工時間は短くて済み、生産性の向上を見込むことができます。
 

CNC旋盤でできる加工


主に円柱状の加工を得意としており、外丸削りやテーパ削り、面削り、ねじ切り、中ぐり加工などが可能です。
 
例えば、穴あけ加工においては、穴を広げることやねじ穴を作ることが可能で、ドリルを使って材料に穴を開けてきます。
 
製品を削ることや表面を加工することによって、表面を綺麗に手触りのよい材料にするような加工も得意です。
 
実際にCNC旋盤を活用する際には、CADを活用してモデルを作り、CAMで切削用のツールパス、さらにNCコードデータを生成したうえで材料とドリルを設置して加工していきます。
 
そのため、加工にはCADやCAMの扱いを理解しておく必要があります。
 

CNC旋盤の種類


● 主軸台移動型
● 主軸台固定型
 
CNC旋盤は、主軸台を移動させて加工する『主軸台移動型』、切削工具を動かして加工する『主軸台固定型』に分けることができます。
 
材料を大量生産する場合には主軸台移動型、1つずつ複雑な加工するようなを行う場合には主軸台固定型が選択されます。
 
そのほかにも、
 
● 単軸自動旋盤
● 多軸自動旋盤
 
といった、主軸の数によっても種類が分類されています。
 
多軸自動旋盤においては、種類の違う加工を同時に行えるメリットがあります。
 
そのほかにも、刃物台の構造によって分類される、
 
● タレット型
● 櫛刃型
● フラット型
 
構造によって分類される、
 
● 立型
● 正面型
 
などといったものも存在し、材料に適したCNC旋盤が採用されます。
 
 

最新機種情報


自動旋盤メーカーでは、さまざまなNC旋盤・CNC旋盤が開発されています。
 
その中で注目されている製品が野村DS株式会社の『NN-UBシリーズ(CNC自動旋盤)』です。
 
野村DS株式会社では、主軸台が移動して加工するタイプのCNC自動旋盤が提供されており、『スイス型精密自動旋盤』と呼ばれています。
 
最新式のCNC自動旋盤では、それまで課題であった振動を最小限に食い止められるようになっているのが特徴です。
 
● 刃物台には高剛性をつかさどる「キサゲ」による「すべり案内」を採用
● 「キサゲ」のすべり案内を生かす鋳物を特注
 
NN-UBシリーズでは、振動を極限まで抑え込むことができ、美しく高精度に削り上げるのが特徴となっています。
 
※参考・引用
NC旋盤加工 精密自動旋盤【野村DS株式会社】 | 事業案内 | 精密機械製造
 
 

まとめ


NC旋盤とCNC旋盤の違いについてご紹介しました。
 
工作機械において、
 
● NC旋盤:数値制御装置
● CNC旋盤:コンピューター数値制御装置
 
が組み込まれている旋盤のことを指しています。
 
かつては、汎用旋盤(普通旋盤)によって手作業で加工を行われていましたが、現在では自動で加工できる『NC旋盤』『CNC旋盤』によって高精度な加工が可能となりました。
 
自動旋盤メーカーによって、さらに精度の高い工作機械も公表されており、少ない作業員で時間短縮に繋がるとして注目されています。