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- 2022.10.04
旋盤とは?歴史や種類、メーカー、使い方、作れるもの、需要など徹底解説!
■タイトル
旋盤とは?歴史や種類、メーカー、使い方、作れるもの、需要など徹底解説!
■目次
旋盤とは?
旋盤の歴史
旋盤の種類
・汎用旋盤(普通旋盤)
・NC旋盤
・卓上旋盤
・立旋盤
・正面旋盤
旋盤メーカー(汎用旋盤・NC旋盤)10社一覧
旋盤の使い方
旋盤で何が作れるの?
旋盤の需要~現在とこれから
まとめ
『旋盤』とは、あらゆる製品を加工するために活用されている工作機械のことで、私たちの周りに存在する製品の多くは、旋盤が活用されています。
ただ、旋盤にはさまざまな種類があり、それぞれに特徴があることから、加工物にあった旋盤を活用することが重要です。
ここでは、旋盤とはどのようなものなのか、今後の需要なども含め、詳しくご紹介します。
旋盤とは?
旋盤とは、金属の加工を行う工作機械のことで、加工したい金属をチャックと呼ばれる土台に固定して回転させて、バイトと呼ばれる工具によって加工していくというものです。
円柱や円錐といった円筒計上の金属加工に特化しており、そのほかにも穴あけやネジ加工、面取りなどに活用することもできます。
多くの場面で活用されており、家電や自動車、航空機、医療機器、半導体など、身近にある製品の部品のほとんどは、旋盤で加工されていると言っても過言ではありません。
旋盤の歴史
さまざまなものを手軽に加工できるように、古くから旋盤が開発され活用されてきました。
旋盤の概念となった『ろくろ』については、8世紀には開発されていたことが知られており、初期の金属加工の旋盤はイギリスで1700年代に開発されたもので、工作物を固定して回転させ、手持ちの刃物を押し当てて加工していました。
日本において金属加工用の旋盤は、幕末から明治時代初期にかけて輸入されたことが始まりであり、足踏み式の旋盤が活用されていました。
旋盤の種類
旋盤にはさまざまな種類があり、加工物や製品の形状に適したものが活用されることになります。
汎用旋盤(普通旋盤)
基本的な構造を兼ね備えた旋盤のことで、一般的に旋盤と言えば『汎用旋盤(普通旋盤)』を意味します。
金属素材の設置から加工まで手作業であるため、大量生産はできないものの、オーダーメイドや修理などに適しています。
NC旋盤
NC(Numerical Control:数値制御)装置が付いている旋盤のことを指しており、機械に指示を送って加工することができます。
汎用旋盤と同じように外径加工や内径加工、ネジ加工などさまざまな加工ができますが、NC旋盤では加工プログラムに沿って自動的に加工できるのが特徴です。
卓上旋盤
小型タイプの旋盤のことを指しており、汎用旋盤のように大きくありませんから、趣味やDIYなどでも活用されています。
小型であるために大きな部材の加工には適していませんが、シャフトなど円柱状の精密な加工に活用されています。
立旋盤
主軸を垂直に立てた状態で移動する旋盤のことで、主軸が上を向いており、上から物を乗せるようにして、上から下に加工していく特徴があります。
大きいサイズの金属を加工するために適している旋盤です。
正面旋盤
おもに正面削りの加工を行う旋盤のことを指しており、複雑な工作物を取り付けられ、大きいサイズの金属加工に適しています。
大きな加工物は立旋盤が活用されるケースが多くなりましたが、削り屑のハケが正面旋盤の方が優れていると言われています。
旋盤メーカー(汎用旋盤・NC旋盤)10社一覧
■汎用旋盤(普通旋盤)のメーカー
● 株式会社滝澤鉄工所
● 塩田工業株式会社
● 株式会社池貝
● 蔵前産業株式会社
● DMG森精機株式会社
■NC旋盤のメーカー
● ヤマザキマザック株式会社
● 森精機製作所
● オークマ株式会社
● シチズン時計株式会社
● ミヤノマシナリー株式会社
旋盤の使い方
旋盤はさまざまな役割を担う部品で構成されています。
● 主軸台:加工物を回転させる
● ベッド:旋盤の本体部分
● 心押し台:ベッド上で加工物を支える
● 往復台:切削工具を前後左右に動かす装置で刃物台が設置されている
● 送り装置:切削工具を縦横に動かして精密な加工を行う
● チャック:加工物を取り付けて固定する
基本的な構成は上記の通りで、NC旋盤の場合にはNC装置、操作画面が付いています。
基本的には、主軸台に加工物を固定して回転させ、さまざまなバイト(刃物)を取り付けることによって、さまざまな加工が可能です。
旋盤で何が作れるの?
● 円柱状に切削(外丸削り)
● 円錐形に切削(テーパー削り)
● 加工物の端面を切削(面削り)
● ねじ山を作る(ねじ切り加工)
● 内径用バイトを使用して穴を広げる(中ぐり加工)
● 外径に切り込みを入れる(突切り加工)
旋盤を活用し、バイトを取り付けることによって、上記のような加工が可能です。
旋盤の需要~現在とこれから
旋盤は、一般製造業や自動車、運輸業など、さまざまな業界で幅広く活用されていることもあり、特に国内ではものづくりの根幹をなしていると言われています。
そのため、加工物に適して旋盤が開発・生産されており、特に人材不足と言われる中で、人手不足解消や競争力の競争などのために活用されています。
そのようなことから近年では旋盤をはじめとする工作機械全体は好調を維持していますが、景気の影響を受けやすい産業であるために今後は縮小傾向になると考えられています。
ただ、世界的にみれば旋盤市場の成長は著しく、今後も拡大する予測が見込まれていることから、日本においても市場拡大のチャンスと言えるのではないでしょうか。
まとめ
旋盤について、種類やメーカー、使い方、どのようなものが加工できるのか、詳しくご紹介しました。
旋盤の種類にはさまざまなものがあり、
● 汎用旋盤(普通旋盤)
● NC旋盤
● 卓上旋盤
● 立旋盤
● 正面旋盤
など、それぞれに特徴があります。
外丸削りやテーパー削り、面削り、ねじ切り加工など、さまざまな加工ができることから、加工したい製品に応じた旋盤を選ぶと良いでしょう。
旋盤市場は、ものづくりが盛んなこともあり拡大傾向で、特に世界市場でみると今後も著しい成長が予測されており、日本にとっても市場拡大のチャンスだと考えられます。
